グーっと、グーッと、ぐーッと

 

 

僕は机の上に乗っけた箱をスケッチしていた。

 

スケッチブックの上には同じ箱の絵が3つ、すでにあった。

 

何回か書いていくたびに、「物体とは明確な線を持っていないし持ち得ない。」との考えに至ったため、この絵でははっきりとは線を書かなかった。ものの、ただ色を塗っているだけでは机の上の影との境がなくなる。

 

線はないと思ってるけど、線がないと、一緒くたになってしまう。

じゃあ線はあるんだろう。

 

デッサンが上手い人はそんなことで悩まないんだろうけど、バリバリの初心者の僕は

ただじっと、顔を箱に近づけて、箱と影との間の“何か”をじっくり見つめた。

 

 

 

あれ、これはどっちが持ってる線だ?

 

影?箱?背景?

 

あれ?

 

ちょっと面白くなった。

 

今これを書いているときも、商業施設のフローリングの上に足を投げ出し、僕の靴とフローリングとの境界を見つめた。

 

空間に僕の足が包まれる、へんな感覚。